JR東日本の新幹線「どこかにビューーン!」やってみた!申込方法・注意点は

新幹線でどこかに行けるJR東日本「どこかにビューーン!」イメージ

新幹線でどこかに行けるJR東日本「どこかにビューーン!」イメージ

「新幹線の旅」がお得に楽しめる!

提案される4つの行き先候補駅

JR東日本が2022年12月1日(木)、新しいサービス「どこかにビューーン!」を開始しました。

JR東日本「どこかにビューーン!」イメージ(JR東日本ニュースリリースより)

JR東日本「どこかにビューーン!」イメージ(JR東日本ニュースリリースより)

JALの「どこかにマイル」と似たサービスで、おすすめされる4か所の目的地(駅)のどこかに、新幹線の普通車指定席で往復できる、というもの。「目的地はどこになるだろう……」というドキドキを楽しめるほか、お得に旅行が可能です。

JREポイントを使用

サービスを利用するにあたって、JALの「どこかにマイル」では、「JALマイレージバンク」でためた「マイル」を使いましたが、JR東日本の「どこかにビューーン!」では、JR東日本のポイントサービス「JREポイント」を使います。

友人との申し込みでも安心!

こうしたポイントは個人個人でためることが多いと思いますが、JR東日本「どこかにビューーン!」では、その配慮もされています。

「どこかにビューーン!」では、申し込みした人のJREポイントを使って同行者全員分のきっぷを手配する、ことも可能ながら、申込者と同行者がそれぞれのJREポイントを使って、それぞれのきっぷを、並びの席になるよう手配することもできるのです。

申込本人のほか、最大5人まで同行できます(全員で6人まで)。

どのくらいお得?

特典チケットよりかなりお得

JR東日本「どこかにビューーン!」は、ポイント(マイル)を通常の特典チケットに交換するよりお得に旅行できる、というのも、JAL「どこかにマイル」と同様です。

東京~新青森間が往復6000円!?

たとえば、東京~新青森間を普通車指定席を使って、JREポイントの特典チケットで乗車する場合、通常は往復で2万4220ポイントが必要です。

それがJR東日本「どこかにビューーン!」では、往復6000ポイント。1万8220ポイントもお得になります。

東北新幹線の新青森駅

東北新幹線の新青森駅

JREポイントは、1ポイント1円としてSuicaへのチャージが可能です。なので、「どこかにビューーン!」だと6000円で東京~新青森間を新幹線で往復できる、とも考えられるでしょう。

普通にきっぷを買って、東京~新青森間を新幹線「はやぶさ」の普通車指定席で往復した場合、通常の料金は3万5340円。それが「どこかにビューーン!」なら6000円相当のポイントでOK。かなりお得です。

おすすめされる行き先の駅は?

東京駅から150km以上先

JR東日本「どこかにビューーン!」でおすすめされる4か所の行き先は、東京駅から150km以上離れたJR東日本の新幹線停車駅です。

最も遠い行き先は、青森県の新青森駅になります。近い行き先は、栃木県の那須塩原駅、群馬県の上毛高原駅、安中榛名駅です。
北陸新幹線の安中榛名駅

北陸新幹線の安中榛名駅

比較的近距離の駅でもお得

JR東日本「どこかにビューーン!」は、おすすめされた行き先が近距離でもお得です。

東京~那須塩原間を普通車指定席を使って、JREポイントの特典チケットで乗車する場合、通常は往復で9240ポイントが必要です。普通にきっぷを買った場合も、通常の料金は1万2040円。それが「どこかにビューーン!」なら往復で6000ポイント。お得になっています。

行き先になる47駅リスト

JR東日本「どこかにビューーン!」で行き先になり得る駅は、次の47駅です。

JR東日本「どこかにビューーン!」行き先候補駅(JR東日本ニュースリリースより)

JR東日本「どこかにビューーン!」行き先候補駅(JR東日本ニュースリリースより)

東北新幹線
那須塩原、新白河、郡山、福島、白石蔵王、仙台、古川、くりこま高原、一ノ関、水沢江刺、北上、新花巻、盛岡、いわて沼宮内、二戸、八戸、七戸十和田、新青森
秋田新幹線
雫石、田沢湖、角館、大曲、秋田
山形新幹線
米沢、高畠、赤湯、かみのやま温泉、山形、天童、さくらんぼ東根、村山、大石田、新庄
上越新幹線
上毛高原、越後湯沢、浦佐、長岡、燕三条、新潟、ガーラ湯沢(冬季限定営業)
北陸新幹線
安中榛名、軽井沢、佐久平、上田、長野、飯山、上越妙高
新青森~新函館北斗間はJR北海道が運営する北海道新幹線で、北陸新幹線の上越妙高~金沢間はJR西日本が運営する区間のため、JR東日本「どこかにビューーン!」の対象外です。

申し込み条件は?

「えきねっと」「JREポイント」連携が必要

JR東日本「どこかにビューーン!」を申し込むには、JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」の会員で、「えきねっと」とJREポイントとの連携手続きを完了しておく必要があります。

なお先述の通り「どこかにビューーン!」は、自分と友人など、別の人のJREポイントを使って、並びの席で旅行できます。

申し込みの方法は?

申し込みはネットから

JR東日本「どこかにビューーン!」の申し込みは、JR東日本「どこかにビューーン!」公式サイトからのみ、行えます。

そこで、行きの「出発日」「出発時間帯」、帰りの「到着日」「到着時間帯」、そして「人数」を入力して検索(このとき「えきねっと」へのログインが必要)。

すると、「どこかにビューーン!」対象の47駅のうち4駅が「行き先候補」として表示されるので、その4駅のどれかで問題なければ、申し込みをします。

JR東日本「どこかにビューーン!」申し込み画面

JR東日本「どこかにビューーン!」申し込み画面

「どこかにビューーン!」の申し込みは、出発日の21日前から6日前まで行えます。

行き先の組み合わせ 変更できる?

JAL「どこかにマイル」では申し込みのとき、おすすめされる4か所の行き先の組み合わせを、再検索することで変更できます(回数制限あり)。

同様にJR東日本「どこかにビューーン!」でも、再検索が可能です。回数制限も同じくありますが、その回数は発表されていません。

「どこかにビューーン!」で再検索が何回できるか、実際に試してみたところ、おそらく90回で「検索回数上限エラー」になりました(2022年12月時点)。その日はもう再検索、申し込みができなくなりますが、翌日になればリセットされ、また検索、申し込みができます。

行き先はいつ確定?

JR東日本「どこかにビューーン!」の行き先が確定するのは、申し込みから3日以内です。

この点も、JAL「どこかにマイル」と一緒です。「どこかにマイル」では、申し込み翌日に行き先確定のメールが来ることも多いので、同様のシステムを使っているJR東日本「どこかにビューーン!」も、早くメールが来るかもしれません。

実際に2022年12月2日(金)の夕方に申し込んだところ、翌日の12月3日(土)午後、「【どこかにビューーン!】行き先決定のご案内」というメールが到着。申し込みから決定まで、およそ22時間でした。

東北・北海道新幹線のH5系と秋田新幹線のE6系

注意点は?

出発駅は3駅だけ

JR東日本「どこかにビューーン!」の出発駅は、東京駅、上野駅、大宮駅だけ。それ以外の駅を出発駅にすることはできません。

指定された列車のみOK

JR東日本「どこかにビューーン!」では、往復とも指定された列車の普通車指定席を使う必要があります。

列車の変更、普通車からグリーン車、グランクラスへの変更はできませんが、同じ列車、同じ普通車指定席で座席の位置を変更するのであれば、通常の「新幹線eチケット」と同様に、「えきねっと」で変更が可能なようです。

1グループ6人まで

JR東日本「どこかにビューーン!」に同一グループとして申し込めるのは、最大6人までです。

次の申し込みは決まってから

JR東日本「どこかにビューーン!」を申し込んだのち、その行き先が決定してからでないと、次の「どこかにビューーン!」申し込みはできません。

最長7日間 日帰りも可

行き先での滞在日数について、JR東日本「どこかにビューーン!」では最長7日間まで設定可能。なお日帰りで申し込んだ場合、目的地での滞在時間は最短5時間以上が確保されます。

チケットレス乗車のみ

JR東日本「どこかにビューーン!」で行き先が決定したあと、座席ごとに利用者のICカードにひも付けて、そのひも付けたICカードで新幹線に乗車する必要があります。乗車駅と降車駅で、ひも付けたICカードを自動改札機にタッチすればOKです。

ICカードは、「Suica」「PASMO」などの交通系ICカードが使えます。「モバイルSuica」や「Apple Pay」の「Suica」も利用可能です。

「どこかにビューーン!」やってみた

駅名と周辺の名所・名物が

JR東日本「どこかにビューーン!」が始まった翌日の2022年12月2日(金)、実際に申し込んでみました。

申し込みを進め、最初に出てきた行き先候補の駅は、長野県の「飯山駅」、山形県の「米沢駅」、宮城県の「古川駅」、青森県の「七戸十和田駅」です。

このときあわせて、たとえば「飯山駅」ならば、「はくたかの場合:約109分」といった利用する新幹線の列車名と所要時間、「野尻湖」「飯山市菜の花公園」「北竜湖」「斑尾高原」「なべくら高原」「笹ずし(謙信寿司)」「野沢温泉」といった、その駅周辺の名所や名物などが案内されます。

JR東日本「どこかにビューーン!」で提案された4つの行き先候補

JR東日本「どこかにビューーン!」で提案された4つの行き先候補

そこから何度か行き先候補を再検索して、新潟県の「新潟駅」、宮城県の「古川駅」、秋田県の「秋田駅」、長野県の「佐久平駅」の4候補が提案されたところで、申し込みました。

行き先決定はいつ?

2022年12月2日(金)の17時ごろに申し込んで、次の日、12月3日(土)の15時ごろ、「【どこかにビューーン!】行き先決定のご案内」というタイトルのメールが、JR東日本から届きました。申し込みから決定まで、およそ22時間です。

届いたメールに決定した行き先は載っておらず、JR東日本「どこかにビューーン!」の「マイトラベルページ」へアクセスし、確認するよう書かれています。

JR東日本「どこかにビューーン!」で決定した行き先

JR東日本「どこかにビューーン!」で決定した行き先

その「マイトラベルページ」を見てみると、行き先は「新潟駅」に決定されており、あわせて利用列車とその時刻が表示されていました。

そして、「どこかにビューーン!」での乗車はICカードを使ったチケットレスで行う必要があるため、「ICカードを紐付ける(えきねっとへ)」をクリック。乗車時に使用する自分のICカードにひも付けます。

JR東日本「どこかにビューーン!」で座席をICカードに紐づけ

JR東日本「どこかにビューーン!」で座席をICカードに紐づけ

また、「どこかにビューーン!」の行き先が決定した翌日、JR東日本から「【どこかにビューーン!】行き先の観光情報のご案内」というタイトルのメールも届いています。

行き先候補は「列車」ごとに提案?

JR東日本「どこかにビューーン!」で提案される4つの行き先候補は、利用する列車名とあわせて表示されました。

「東北新幹線」「北陸新幹線」といった「路線」ではなく、「はやぶさ」「はくたか」といった「列車」が4つ選ばれ、その列車に乗って行く駅が行き先候補として提案されるようです。

提案されない「列車」もある?

JR東日本「どこかにビューーン!」で提案される4つの行き先候補は、すべて別の列車を使った、別の行き先です。

ただ、JR東日本の新幹線すべての列車が提案されるワケではない模様。検索を何度もくり返しても、北陸新幹線「かがやき」、東北新幹線「なすの」を使った行き先は提案されませんでした。

「かがやき」は首都圏と北陸地方の連絡をメインにした列車で、「なすの」は東京駅から遠くても郡山駅までしか行かない、比較的近距離の列車です。

同時に提案されない「列車」もある?

JR東日本「どこかにビューーン!」では、北陸新幹線の「はくたか」と「あさま」、上越新幹線の「とき」と「たにがわ」を使った行き先候補は、目的地が近くなりやすいせいか、同時に提案されないようです。

「はくたか」で行く「飯山駅」と、「あさま」で行く「安中榛名駅」といった組み合わせは、4つの行き先候補へ同時に出現することがありませんでした。

ただ、「はやぶさ」と「やまびこ」は両方とも東北新幹線の列車ですが、同時に提案されます。「はやぶさ」は遠距離の岩手県、青森県、「やまびこ」は比較的近距離の栃木県、福島県、宮城県、岩手県の行き先候補といったように、使い分けられているようです。

JR東日本「どこかにビューーン!」の行き先候補で「はやぶさ」「やまびこ」は同時に出る

JR東日本「どこかにビューーン!」の行き先候補で「はやぶさ」「やまびこ」は同時に出る